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2010年06月06日
花倉織とは
沖縄にはいくつもの伝統的工芸品がありますが、そのひとつに「花織(はなおり)」というのがあります。花を意匠化した花をカラフルな色糸を浮かせて織り込んでいくもので、帯や着物が出来上がります。読谷山花織の与那嶺貞さんや首里花織の宮平初子さんが人間国宝に指定されています。かつては琉球王室にしか着用が許されなかったという王家の衣装でした。その王家の中でも特に高貴な方にのみ許されていた織物が花倉織(はなくらおり)です。基本は花織なのですが、ところどころ穴の空いた絽目(ろめ)が作られていて、手機でこの絽目を作るためには機(はた)に様々な工夫と気の遠くなるようなセッティングが必要で、今、コレを織れる方はほんのわずかです。伊藤峯子さんがその一人。関西出身の伊藤さんは沖縄の織物に惚れ込んで沖縄人になった異色の花織職人です。写真は今年の春、伊藤さんが京都にいらした時、花倉織の帯の製作をお願いしたときのものです。その帯を、このたびお披露目することにいたしました。絽目の通った花倉織は、単衣の時期には涼しげに締めていただける味わい深い一品です。京濱でどうぞ。
Posted by +yasu at 08:08│Comments(0)