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2011年04月08日
芸術品はいらない?
杉浦日向子先生曰く「この国には職人はいても芸術家はいない。道具はあっても美術品はない。すべてが遊びにとどまり、高尚なものの存在に気づこうとさえしない※」。レイ・ブラッドベリ氏曰く「芸術は2階のきちがい息子の部屋にあるものなんです。芸術は、せいぜい、日曜日に、宗教といっしょに服用するものなんです※」さて、職人技と芸術の違いとは。「芸術性なき、職人の超絶技巧」はなんとなくわかります。「超絶技巧なしの芸術」もある気がする。職人技はわかりやすいケド芸術ってなんなのか?ひょっとすると芸術家にとってもそれがテーマだったりして。着物の世界には、もうひとつ、作家っていうのもあります。職人と作家は違う。作家を名乗る職人もいるけど、名も無き職人の技術には遠く及ばない作家もいっぱいです。職人は芸術家になりたいとは思っていない気がするけど、作家はどうなのかな。人間国宝や名工の肩書きもアテになりません。肩書きにアグラをかいてしまっている方もいらっしゃるようですし。話がそれましたが、着物とは職人技を極めたお道具。究極の遊び。なのかも。写真は職人技の光る帯。刺繍のように立体感がありますが、全て織り。下絵を描いた下絵師、糸屋、箔屋の職人、複雑な錦織を織った職人、構図や織組織を考えたプロデューサー。様々な職人がかかわり芸術的な帯のできあがりです。
(※作中で語らせたセリフ)
(※作中で語らせたセリフ)
Posted by +yasu at 08:08│Comments(0)