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2012年09月08日
錯覚は楽し
店の前を掃除していて
かがんだところを
後から声をかけられ
脇の下から逆さまに見た
ご近所さんの顔が
正常角度に戻るまで
誰だかわかりませんでした。
詩人・萩原朔太郎は
「猫町」で
夜汽車でうたた寝をした後
乗っている汽車が反対に進んでいるような
方向音痴になったとき
見慣れた街並が
まったく違った町に見えてしまう
と書いています
知っているのに
ちょっとしたことで
ワケがわからなくなる
人間の感覚は危ういもの?
と自分の老いを誤摩化します。
写真はとある帯の腹柄の一部です
銀糸のもっこりとした
存在感のある刺繍です。
腹柄は反対側もあるのですが
京濱は反対側の柄は
全く違う柄にするのが好きです
「別腹(べつばら)を楽しむ」といっています
この帯の反対側の腹柄も
想像がつかないような違う柄です
同じ帯なのに
違う帯と錯覚させる
1本で2度美味しい帯
錯覚は別世界への入り口です。
な〜んてな
Posted by +yasu at 08:08│Comments(0)