結城へ

+yasu

2007年11月16日 22:00


結城紬の産地、結城市に行ってきました。
東京から東北新幹線で1時間足らず、以外と早く行けました。関東平野のどこまでも平らで田畑に囲まれた静かなところでした。まずは、地入れ屋さん。結城の糸は手紡ぎ真綿糸。この糸はそのまま機にかけると切れてしまうので、小麦粉糊でコーティングしてから織りますが、仕立の前にはこの糊を落とします。それが地入れ屋さん。今は3軒しか無いそう。よく晴れたこの日は、地入れに最適。針子(しんし)という竹の先に針のついたものを1反に300本ほど使い、糊を重曹の湯で落とした生地を伸ばし、干しますみるみるうちに乾いていきます。そして、真綿糸独特の風合いが出てきます。次に糸くくり屋さん、絣模様を出すために糸を染める前に模様のところを木綿糸で括り、防染します。細かい作業。見ているだけで頭痛がしそう。そして織やさん。結城独特の地機。むかしは「いざり機」といった腰で引っぱりながら織っていくやりかた。織ると強くなる生地も織る前は糸は弱く、よく切れる。織ってはつなぎ織ってはつなぎ、本当にゆっくりとしか織れません。織の打ち込みは以外と力強い。これでもかというほど打つ。織り密度が少ないと検査に合格しないのだろう。次は染め屋さん。紺屋という。絣糸は括ってあるので、普通に染めては細かいところまで染まらない。そこで、糸の束を染料に浸けたあと、大きな石の板に軽くたたきつけて染める。あくまで軽く。しかし何回も。最後に真綿の手紡ぎを実際にやってみました。真綿とは繭を湯につけて広げたもの。結城にはこれが出来る人はもういない。福島でやってもらう。手紡ぎは結城で行っている。糸を作る人によって糸の太さ、強さが違い、糸の性質をみながら、絣糸にするか、縦糸にするか決めるのだそう。で、この手紡ぎ、真綿から引くのは結構力がいる。絹って強いんだあって思います。お蚕さんすごい。全てが手作業で、人から人へわたり、1つの織物が出来上がっていく。なんと贅沢なんでしょう。


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